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離婚・男女問題

【離婚】離婚調停の回数と期間はどのくらいかかる?

2021.05.20

1.はじめに

離婚調停に関するよくある質問として、「調停は何回くらいするんですか?」「調停が終わるまでにどのくらいの期間かかるんですか?」というものです。

 

このご質問への回答としては「ケースバイケース」としか言いようがないというのが正直なところです。

 

調停はあくまで裁判所での話し合いですので、一方当事者がいくら早く終わらせたいと思っていても、他方当事者が頑として離婚条件に納得しなければ離婚はなかなか成立せず長引いてしまうということもあります。

 

反対に、論点がたくさんあったにもかかわらず、思いのほかあっさり終わるということもあります。

 

そして、調停が何回で終わるのか、どのくらいの期間かかるのかというのは、やってみないと分からないという側面が多分にあります。

 

そのため、調停の回数や期間に関するご質問については、断言することはできないと言わざるを得ません。

 

とはいえ、統計上の平均的な数値が出されていますので、今回はこれをご紹介したいと思います。

 

 

2.調停の回数

令和元年度の司法統計を見ると、婚姻関係事件(離婚事件、婚姻費用事件など)の調停(審判含む)の回数については次のような数字が出ています。

 

回数 件数 割合
0回 4,399 7.27%
1回 8,361 13.81%
2回 12,660 20.91%
3回 11,158 18.43%
4回  7,782 12.85%
5回  5,443 8.99%
6~10回  9,458 15.62%
11~15回 1,117 1.85%
16~20回 139 0.23%
21回以上 25 0.04%
総数 60,542 100%

 

※事件総数(60,542件)の内訳は、離婚事件38,501件、円満調整事件2,470件、同居・協力扶助事件88件、婚姻費用事件19,483件

 

 

0回というのは、基本的には第1回の調停期日前に調停申立てが取下げられたケースや当事者の一方が死亡したケースだと考えられます。

 

この統計からすると、約8割が5回目までで終了していることになります。

 

ただし、この統計の数値には調停成立で終結した場合だけでなく、調停不成立つまり物別れで終結している場合も含まれているので注意が必要です。

 

要するに、1回や2回で終結しているからといって、「事件が解決した」わけではなく「物別れで終わっただけ」という場合も含まれているということです。

 

しかし、多くの方が知りたいのは、「離婚が成立するまでに調停は何回くらいしないといけないのか?その期間はどのくらいなのか?」ではないでしょうか。

 

 

そこで、より分析的に調停が成立したケースに絞って統計を見てみることにします。

 

調停成立までの回数 件数 割合
0回 0.00%
1回 4,526 13.91%
2回 6,994 21.50%
3回 6,548 20.13%
4回 4,686 14.40%
5回  3,302 10.15%
6~10回 5,727 17.60%
11~15回 649 1.99%
16~20回 81 0.25%
21回以上 19 0.06%
総数 32,532 100%

 

 

 

これを見ると、2回~3回がボリュームゾーンということがわかります。

 

ただ、弁護士の体感としては、2回の調停で離婚が成立するケースはそれほど多くないという印象です。

 

これは、弁護士が介入するようなケースは争点が多かったり、感情的対立が大きかったりするため、回数が多くなりがちという背景が理由として考えられるかもしれません。

 

あるいは、この統計における調停成立の総数には婚姻費用事件なども含まれていますが、婚姻費用事件は比較的少ない回数で成立する傾向にありますから、純粋に離婚事件だけに絞るともう少し多い回数の割合が大きくなる可能性もあると思います。

 

また、6回以上調停を行って離婚が成立しているケースが約20%(5組に1組)あるということも無視できませんね。

 

 

3.調停の期間

次は、調停の期間を見てみましょう。

 

ここでも調停が成立した場合に絞って見てみることにします。

 

調停成立までの期間 件数 割合
1月以内 770 2.37%
3月以内  8,237 25.32%
6月以内 11,551 35.51%
1年以内 9,179 28.22%
2年以内 2,657 8.17%
2年を超える 138 0.42%
  32,352 100.00%

 

 

これを見ると、1年以内に調停が成立する割合が約90%にのぼっていることが分かります。

 

反対に言うと、10組に1組は調停成立までに1年以上を要するということですので、長期化するケースもそれなりにあると考えてよいのではないでしょうか。

 

特に現在のようなコロナウイルスが流行している状況下においては裁判所が調停件数を絞っていることもあり、調停の期日間隔が通常以上に開く傾向にあります。

 

そうなると、ますます調停成立までの期間が延びる可能性もあると思います。

 

以上、離婚調停の回数と期間について説明させていただきました。

 

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