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離婚・男女問題
【離婚】「当事者間に債権債務がないことを確認する」という取り決め(清算条項)をした後でも、年金分割はできる?
1.はじめに
年金分割は、離婚する際に諸々の条件とあわせて決めることもできるし、離婚後でも別にいいということをこれまで説明してきました(ただし、離婚後2年以内という期間制限があります)。
実務では、前者の場合、つまり離婚する際にあわせて年金分割の取り決めをするということが圧倒的に多いのですが、離婚後に年金分割の申立てをするということも別にあり得ないわけではありません。
ただ、離婚協議書や調停調書の最後の方に「当事者間に債権債務がないことを確認する」みたいな一文が通常入っていますよね。
このような取り決めを清算条項と呼ぶのですが、これは要するに、「今回の離婚協議で取り決めたもの以外にはお互いに何も請求するものがないことを確認しましたよ」ということを意味するわけです。
ということは、離婚の際に清算条項を入れてしまうと、離婚後に年金分割をやっぱり請求しようと思ったとしても、できないのではないか?という問題が出てくるわけです。
今回はこの点について解説してみようと思います。
2.回答
結論から言うと、清算条項があっても後から年金分割を求めることは可能です。
これはなぜかと言うと、年金分割の請求というのは、あくまで厚生労働大臣に対する請求であって、元配偶者に対する請求ではないからなんです。
そのため、いくら当事者間で清算条項の取り決めをしていたとしても、請求の対象が当事者ではない人(厚生労働大臣)である以上、この清算条項の効力は年金分割には及ばないということになります。
ですから、清算条項を入れて離婚したとしても、その後に安心して年金分割をしてもらって大丈夫です。
では、ちなみに当事者で「年金分割をしない」という合意をするのは有効なのでしょうか?
この問題については次回解説してみたいと思います。
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