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離婚・男女問題

【離婚】離婚する際の妻の健康保険をどうするか?

2021.08.06

1.はじめに

これまで別居中の公的医療保険について解説をしてきましたが、実務的には別居中よりもむしろ離婚するタイミングで手続をすることの方が多いということは何度か説明させていただいていたとおりです。

 

そこで、今回は離婚するタイミングで妻の公的医療保険をどうするのかというテーマで解説をしてみたいと思います。

 

よくあるケースとして、離婚するまでは夫の扶養に入っていて、離婚するタイミングで扶養から外れるというパターンです。

 

あるいは、夫が自営業者のケースなどは、離婚するまで夫を世帯主とする国民健康保険に加入していたけど、離婚することになったのでどうしたらいいかわからないというようなケースもあります。

 

以下では4つのパターンに分けて説明していくことにします。

 

 

2.夫の健康保険の扶養に入っていた場合

①健康保険から健康保険のパターン

離婚することで被扶養者の資格を失うことになります(健康保険法3条7項1号)。

 

健康保険から健康保険のパターンというのは、離婚によって夫を被保険者とする健康保険の被扶養者の資格を喪失して、妻が新たに勤務先の健康保険に加入するという場合です。

 

これは、別居中の話と同じで、妻が勤務先の健康保険の被保険者資格の要件を満たしさえすれば問題なく新たな健康保険に加入することができるということになります。

 

この場合、夫の方から資格喪失証明書をもらう必要はありません(ただし、子どもがいる場合は子どもの分の資格喪失証明書が必要になることがあります)。

 

 

②健康保険から国民健康保険のパターン

夫の扶養から外れて、国民健康保険に加入するというパターンもあります。

 

国民健康保険に加入する場合、他の保険に加入していないということが前提になりますので、妻が夫の健康保険の被扶養者の資格を喪失したことを証明する資格喪失証明書が必要となります。

 

そのため、離婚にあたって、夫に会社で資格喪失証明書の発行の手続をしてもらって、妻に交付してもらうようにお願いしておきましょう。

 

万が一、夫が資格喪失証明書を渡してくれないという場合には、役所に相談してみるほかないと思います。

 

これは、国民健康保険に加入するために資格喪失証明書が必要であるかどうかは法律で定められているわけではなく、市町村の取り扱いに委ねられているためです。

 

 

3.夫を世帯主とする国民健康保険に加入していた場合

③国民健康保険から健康保険のパターン

この場合は上記①と同じです。

 

妻が勤務先の健康保険の被保険者資格の要件を満たしさえすれば問題なく新たな健康保険に加入することができるということになります。

 

妻自身の資格喪失証明書が必要ないという点も同様です。

 

 

④国民健康保険から国民健康保険のパターン

夫を世帯主とする国民健康保険の被保険者の資格を喪失した後、新たに国民健康保険に加入する場合には、妻自身を世帯主として資格取得の届出を市町村に提出することになります(国民健康保険法9条1項)。

 

あわせて、役所で保険証の交付のための手続を行うことになります(同法9条2項)。

 

この場合、国民健康保険間での異動であって資格の喪失が明らかであるため、資格喪失証明書は必要ありません。

 

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