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お知らせ

利益相反についてのご説明~相手方の氏名を事前に確認させていただく理由~

2023.10.26

1.利益相反とは

当事務所では、ご予約のご連絡をいただく際に、必ずご相談者様の氏名と、事件の相手方となる方の氏名を漢字の表記もあわせてフルネームで確認させていただいております。

 

これは、利益相反の有無を確認するためです。

 

利益相反が問題となる場面の典型例は、一方当事者から法律相談を受け、弁護士がアドバイスをしたところ、当該事件の他方当事者からも法律相談を受けるような場面です。

 

このような場合、弁護士は、一方当事者から法律相談を受けている以上、他方当事者からの法律相談を受けることはできません(弁護士法25条1号、弁護士職務基本規程27条1号)。

 

 

また、当該事件の相手方が弁護士の配偶者、直系血族、兄弟姉妹または同居の親族である事件についても原則として、弁護士は職務を行うことができません(弁護士職務基本規程28条1号)。

 

たとえば、AさんがBさんに対して金銭の返還請求をしたいという法律相談を弁護士にしようとしたところ、当該弁護士はBさんの親族であったというような場合です。

 

そのほかにも、弁護士法や弁護士職務基本規程には、弁護士が職務を行ってはならない利益相反の類型が定められており、これを弁護士は遵守する必要がありますし、弁護士法等の規定に真正面から抵触しないものの、弁護士倫理の観点から、ご相談をお受けすることが適切ではない場合もあります(たとえば、事件の相手方が、弁護士の友人・知人であるようなケースが考えられます)。

 

以上の理由から、法律相談を受けるにあたっては、相談者様の氏名と事件の相手方の氏名を事前に必ず確認させていただいております。

 

 

2.相手方の氏名を伝えたくないという方へのご対応

 大半の方は、ご予約時にご自身と相手方の氏名を問題なくご教示いただけますが、ごくまれに「相手方の氏名は伝えたくない」とおっしゃられる方がおられます。

 

相手方に関する情報が外部に漏れるのではないかというご心配によるものかもしれませんが、弁護士は守秘義務を負っていますので、相手方の氏名をお聞きしたとしてもそれを外部に漏らすことはありません。

 

「事前に相手方の氏名は伝えたくないが、事務所に法律相談に行った際に伝える」とおっしゃられる方もおられますが、ご予約時には伝えることができないにもかかわらず、相談当日であれば伝えることができる合理的な理由はないものと考えております。

 

何より、相談当日に相手方の氏名をご教示いただいても、十分に利益相反のチェックができない可能性がありますし、万が一、利益相反が判明した場合には、せっかく事務所にお越しいただいたのにお引き取りいただくこととなり、ご相談者様にもご迷惑をおかけすることになりかねません。

 

したがって、当事務所ではご予約の時点で必ず相手方の氏名を確認するというルールを設けさせていただいております。

 

また、「相手方は、そちらの事務所とは絶対に無関係なので、氏名を伝える必要はない」とおっしゃられる方もおられますが、当事務所では弁護士倫理を遵守する観点から、特例的な取り扱いはすることなく、どのような事情をおっしゃられたとしても、例外なく氏名を確認させていただいております。

 

これは当事務所の定めるルールとなりますので、ご理解を賜りますようお願い申し上げます。

 

このルールを遵守いただくことができない方のご相談はお断りすることとなりますので、ご容赦くださいませ。

 

なお、相手方がいない事案や、相手方の正確な氏名が不明な事案等はこの限りではありません。

 

 

3.ご相談をお受けできないときに、なぜその理由をお伝え出来ないのか

利益相反に該当する事案においては、法律相談をお受けすることができないため、ご予約のお申し込みがあったとしても、これをお断りせざるを得ません。

 

この場合、ご予約をお申込みされた方からすれば、なぜ法律相談を受けてもらえないのか理由を説明してほしいと思われるのは当然だと思います。

 

もっとも、弁護士は、守秘義務を負っていることから、法律相談を受けられない理由の詳細を説明することができません。

 

たとえば、妻Aから離婚の法律相談を受けた後に、夫Bからも離婚の法律相談の申し込みがあったとします。

 

この場合、利益相反の事例に該当しますから、Bさんの法律相談はお断りすることになりますが、この際に、Bさんに対して「あなたの奥さんであるAさんが過去に当事務所にご相談に来られているため、ご相談をお受けすることができない」などと説明してしまうと、Aさんとの関係で守秘義務違反となりかねません(参考文献:『弁護士倫理上のチェックポイント』(弘文堂)120頁)。

 

したがって、守秘義務の観点から、どのような事情で相談をお受けすることができないかをお伝えすることはできず、「ご相談を受けることができない」という結論しかお伝えすることができないということになります。

 

ご納得感の得られにくい点かとは存じますが、これは弁護士倫理上やむを得ない対応であるということをご理解・ご了承いただけますと幸いです。

 

 

 

☆弁護士法人千里みなみ法律事務所では、離婚、相続、交通事故、債務整理、その他一般民事など幅広い分野についてご相談・ご依頼を多数お受けしております。

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