ご予約はこちら
BLOG

離婚・男女問題

【離婚】離婚する際の子どもの健康保険をどうするか?

2021.08.16

1.はじめに

前回の記事で、離婚する際の妻の公的医療保険がどうなるのかということをご説明しました。

 

大きく分けると、①健保→健保、②健保→国保、③国保→健保、④国保→国保の4パターンがあります。

 

今回も、実務的に最も多いパターンである妻が子どもを引き取る場合を前提に、子どもの公的医療保険がどうなるのかということを説明したいと思います。

 

ここでも妻自身の場合と同様に、4パターンに分けて説明していくことにします。

 

別居中に子どもの公的医療保険資格を異動させる場合は、こちらをご覧ください。

 

 

2.夫の健康保険の扶養に入っていた場合

離婚する前に子どもが夫の健康保険の被扶養者であった場合は、妻が子どもを引き取ったからといって、自動的に子どもが被扶養者の資格を喪失するわけではありません。

 

ここは妻自身の場合と子どもの場合とで異なる点ですね。

 

というのも、健康保険の被扶養者となるには、主として被保険者により生計を維持していることが要件となっていて、同一世帯に属する(住居及び家計を同じくする)ことは必ずしも要件とはならないためです。

 

もっとも、実務的には離婚にあたって妻が子どもを引き取るケースにおいては、子どもを夫の健康保険の被扶養者から外すケースが多いように思います。

 

これは、離婚後も子どもが夫の健康保険の被扶養者となると、離婚後も元夫とのやり取りが発生してしまうなどが理由にあるのではないかと思います。

 

①健康保険から健康保険のパターン

離婚後、子どもを夫の健康保険の被扶養者から外して、妻の健康保険に加入させるためには、妻の健康保険の組合に対して子どもの異動届を提出する必要があります。

 

この際、夫の被扶養者から外れたということを証明する資格喪失証明書が求められることがあります。

 

この点は、妻自身が健康保険に加入する場合とは異なります(妻が夫の健康保険から自分の健康保険に加入するパターンの場合には妻の資格喪失証明書は不要)。

 

これは、前述のとおり、子どもの場合には、父母が離婚したからといって直ちに扶養から抜けるわけではないため、重複加入や加入漏れを防ぐためにも資格を喪失したことを確認しておこうという目的によるもののようです。

 

子どもが夫の被扶養者から外れたことを証明する資格喪失証明書が必要な場合には、夫にその旨を説明して夫の会社を通じて資格喪失証明書を発行してもらいましょう。

 

②健康保険から国民健康保険のパターン

離婚後、子どもを夫の健康保険の被扶養者から外して、妻の国民健康保険に加入させる場合、子どもの異動届を役所に提出する必要があります。

 

この場合には、子どもの資格喪失証明書が必要となりますので、上記①と同様、夫に資格喪失証明書の発行手続きをお願いすることになります。

 

ちなみに、①、②のいずれの場合においても、夫が資格喪失証明書の発行に協力してくれないなどの場合には、子どもを加入させようと思っている保険の保険者(健康保険組合、市町村役場等)にその旨相談してみてください。

 

 

3.夫を世帯主とする国民健康保険に加入していた場合

離婚によって、妻が子どもを引取り、子どもが妻の世帯に属するときには、子どもは夫の世帯から外れることになります。

 

子どもが離婚前に夫を世帯主とする国民健康保険の被保険者であった場合、夫の世帯から外れることによって、夫を世帯主とする国民健康保険からも外れることになります。

 

③国民健康保険から健康保険のパターン

この場合は基本的には上記①と同じです。

 

妻の加入している健康保険に子どもを加入させるために必要な手続を行っていただければと思います。

 

 

④国民健康保険から国民健康保険のパターン

離婚後、妻が自分を世帯主とする国民健康保険に加入した場合には、子どもも同一世帯に属するのであれば、同じ国民健康保険の被保険者となります。

 

説明は以上のとおりですが、必要な書類や細かい手続きの確認や不明点等は、各保険者に詳細を確認していただければと思います。

 

 

 

☆離婚、親権、養育費・婚姻費用、面会交流、財産分与、慰謝料、年金分割などでお悩みの方は離婚問題に強い弁護士にご相談されることをお勧めいたします。

 

弁護士法人千里みなみ法律事務所では離婚問題に力を入れて取り組んでおり、離婚分野は当事務所の得意とする分野の一つです。

 

多数の解決実績やノウハウを生かして適切なアドバイスを行いますので、お気軽にお問い合わせください。

 

離婚に関するご相談は初回30分無料で受け付けております。

 

お問い合わせフォームまたはお電話よりご予約いただきますようお願いいたします。